榛名神社
群馬県群馬郡榛名町849
榛名神社(はるなじんじゃ)
御祭神は、火産霊神(ほむすびのかみ)、埴山姫神(はにやまひめのかみ)です。
大山祇神、御沼神、大物主神、木花開耶姫神が合祀されています。
第2代・綏靖天皇の時代に鎮座し、第31代・用明天皇元年(586年)に社殿が造営されたと伝えられます。
鎮座する榛名山は上毛三山(赤城山、榛名山、妙義山)の1つで、
古くから山岳信仰や自然崇拝的な信仰の対象であり、
歴代領主から崇敬され、足利持氏、上杉謙信、小田原北条氏、真田氏、
江戸時代以降は幕府から庇護を受けました。
南北朝ごろから始まる神仏習合時代には上野寛永寺に属していましたが、
明治初年の神仏分離令によって元の榛名神社に復しました。
榛名神社へ向かう街道沿いに立つ「一ノ鳥居」。
この一ノ鳥居から榛名神社までは5kmほど
榛名神社の参道入り口
道の左右には多くの宿坊が立ち並んでいる
徒歩参道入り口の鳥居
参拝日は2010年10月9日。4年ぶり2度目の参拝。
前回はバスを利用したが、今回はレンタカー。
雨天にも関わらず非常に多くの参拝者で賑わっていた
随神門(国指定重文)
圧倒されるほどの重厚感。歴史を感じさせる、白い木の質感が素晴らしい
随神門
参道にかかる禊橋
参道
参道に沿って流れる渓谷。
流れは激しく、その轟を耳にしながら参道を歩いて行く
参道横に祀られた、摂社・秋葉神社
三重塔
榛名神社は、神仏習合時の名残りを色濃く残している
しばらく歩くと参道左手に巨石が現れだす
神橋
橋下は深い谷で「行者渓」と呼ばれている
神橋の左手に見える巨石群。
しばし呆然となるほどの異形感
階段途中にある手水舎
異界の入り口
瓶子滝(みすずのみたき)
滝の両側の岩が神酒を入れる器(瓶子:みすず)に
見えることから名づけられた
矢立杉(やだてすぎ)と神幸殿(みゆきでん・神輿舎)
矢立杉は、樹齢約1000年と伝えられる杉の巨木。
武田信玄が戦勝祈願に矢を立てたと伝えられている
参道階段
張り出した左右の岩の奥に「双龍門」が見える
双龍門とその左にそびえる「鉾岩(ほこいわ)」。別名ローソク岩。
驚愕の光景にしばし呆然
双龍門(国指定重文)
安政2年(1855)の建立。
龍の彫刻や水墨画が描かれていることからその名がつけられた
双龍門の扉に掘られた「降龍」と「昇龍」
双龍門を抜け階段をのぼると境内に到着。
左に榛名神社拝殿、右に国祖殿が見える
榛名神社拝殿
濃紅色と黒のコントラストが印象的。各所に施された装飾も圧巻。
社殿は、拝殿・幣殿・御本殿で構成。
権現造の複合建築で、本社は隅木入春日造、幣殿は両下造、拝殿は入母屋造。文化3年(1806)に再建。
社殿の上部(背後)に異形の大岩「御姿岩」。
最初に見た時は、これは現実の光景なのかと自分の目を疑ったほど
御社殿奥の「御姿岩(みすがたいわ)」
御社殿の背後に立ち、岩頂部は人の頭のような形をしています。
御姿岩は、神の依り代とも神様そのものの姿であるともいわれ、
その下部には洞窟状の空間があり、そこに主祭神をお祀りしています
御本殿(国指定重文)
背後にそびえる御姿岩にご神体をお祀りし、その前に権現造の社殿が建てられている
社殿の左手に建てられた「国祖殿」(国指定重文)
享保年間(1716~35)の建立。かつては榛名山西部「御祖霊嶽」に祀られていたものを現在地に遷座。
御祭神は豊城入彦命、彦狭島命、御諸別命です
国祖社と額殿(国指定重文)
享保年間(1716~35)の建立。額殿は文化11年(1814)の増築。
本来は神楽の拝見所だったが、扁額を多数揚げてあることから額殿と呼ばれている
神楽殿(国指定重文)
神楽殿の背後に大岩
境内から望む双龍門
杵築社
「御姿岩」遠景
榛名神社の横を流れる渓谷には、大小多数の滝がある。
その瀑布は神社の境内にも轟き、この滝の音を聞きながら
参拝者は異形の光景を目の当たりにする。
古より信仰と修行の場となってきた榛名神社。
自然の畏怖を感じ得ることができる、非常に稀有であり大切な場所だと思う