熊野本宮大社
和歌山県田辺市本宮町本宮1110
熊野本宮大社(くまのほんぐうたいしゃ)
旧官幣大社
御祭神は、家都美御子大神(けつみみこのおおかみ)です。
※「家都美御子大神」は、「熊野坐大神(くまぬにますおおかみ)」「熊野加武呂乃命(くまぬかむろのみこと)」
とも称され、「素盞鳴尊」とされています。
社伝によれば、第10代・崇神天皇の御代に、「大斎原(おおゆのはら・熊野本宮大社の旧社地)」に
「熊野三所権現(熊野速玉大神、熊野夫須美大神、家津美御子大神)」が降臨。その様子を、
「大きな櫟(いちい)の木に三体の月が降りてきた」と伝えています。
社殿の造営は、降りてきた真ん中の月からの「我は證誠大権現(家都美御子大神)であり、
社殿を創って齋き祀れ」との神勅によるものと伝えられています。
「大斎原」は熊野川と音無川が合流する中州で、古代から聖地とされてきましたが、
明治22年(1889年)の大洪水で社殿の一部が倒壊。
その後無事だった社殿3棟を高台に移し、現在地に遷座となります。
当社は明治期まで「熊野坐神社(くまのにますじんじゃ)」と称されていました。
社殿に祭られる御祭神は下記。(<>内は神仏習合における本地仏)
◇上四社
第一殿(西御前):熊野牟須美大神・事解之男神 <千手観音>
第二殿(中御前):速玉之男神 <薬師如来>
第三殿(證証殿):家都美御子大神(主祭神) <阿弥陀如来>
第四殿(若宮):天照大神 <十一面観音>
◇中四社
第五殿(禅児宮):忍穂耳命 <地蔵菩薩>
第六殿(聖宮):瓊々杵尊 <龍樹菩薩>
第七殿(児宮):彦火火出見尊 <如意輪観音>
第八殿(子守宮):鵜葺草葺不合命 <聖観音>
◇下四社
第九殿(一万十万):軻遇突智命 <文殊菩薩・普賢菩薩>
第十殿(米持金剛):埴山姫命 <毘沙門天>
第十一殿(飛行夜叉):弥都波能売命<不動明王>
第十二殿(勧請十五所):稚産霊命 <釈迦如来>
※熊野本宮大社に祀られているのは、上四社のみ。
中四社、下四社は明治の大洪水で流出。旧社地の大斎原には中四社・下四社を祀る祠が設けられている。
熊野本宮大社の大鳥居
熊野三山の首座であり熊野信仰の中心となる神社。
長年の思いがついに成就し参拝させていただくことができた。
鳥居の横には「八咫烏(やたがらす)」の神旗
表参道入り口
狛犬
表参道の階段
立ち並ぶ「熊野大権現」の白旗が印象的
参道の左手には「功霊社」
参道にある祓戸大神
本宮社殿を拝する前に、ここで身を清める
表参道の左脇には旧道・熊野古道
階上は明るく開けた感じ
階上
正面に神門。右手に授与所
神門
神門から社殿を望む。
正面にあるのは、主祭神である「家都美御子大神」を
お祀りしている「第三殿(證証殿)」
素晴らしい。
境内。御社殿全景。
左より、第一殿(西御前、ご祭神:熊野牟須美大神・事解之男神)と
第二殿(中御前、ご祭神:速玉之男神)
第三殿(證証殿、ご祭神:家都美御子大神)
第四殿(若宮、ご祭神:天照大神)
第一殿(西御前)、第二殿(中御前)
熊野三所権現である熊野牟須美大神、速玉之男神をお祀りする
第一殿(西御前)、第二殿(中御前)
別角度からの御社殿全景。
ほれぼれするほどの見事さ。鳥肌がたつ
第三殿(左)と第四殿(右)
第三殿(證証殿)は主祭神・家都美御子大神を祀り、
第四殿(若宮)には天照大神が祀られている
主祭神をお祀りする第三殿(證証殿)
第四殿(若宮)
第四殿の向かって右には、満山社
ご祭神は八百萬神
境内の右端ある歌碑と杉の木
石組の外玉垣
かなり古そう。旧鎮座地である大斎原から運んだものなのだろう。
洪水で流された社殿に思いを馳せると、いろいろ感慨深いものがある
社殿を別構図で。
空は、雲ひとつない蒼天
第三殿(左)と第四殿(右)
第一殿と第二殿の鈴門
境内
工事でもしているのかと思ったら、翌日に催される
浅野温子さんの講演会の準備なのだそうだ。
タイトルは「日本神話への誘い」。日本神話の朗読会のような催しらしい
境内の左端にある「和泉式部祈願塔」
神門
神門の外に出ると、隣に「黎明殿拝殿」。
なんとなく神仏習合的な雰囲気
黎明殿拝殿前に置かれた、大国石と亀石
黎明殿拝殿と神門の遠景
境内に掲げられた「旧本宮社殿絵図」
旧社地では、このように社殿は川に囲まれていたようだ。
熊野本宮大社・参拝メモ
参拝は2009年9月下旬。
奈良県の玉置神社参拝後に赴いた。
熊野本宮大社は新宮の駅から35kmほど離れ、車だと1時間近くかかる。
大社周辺は土産物屋などが並び、かなり開けた感じ。
境内には「撮影禁止」の案内板が出ていた。
「撮影の際には社務所に申し出るように」とのこと。
恐る恐る申し出たところ、「個人で撮影し、個人で写真を見る分には撮影はOK」との返事。
本宮本社の写真を乱用したり、商業用につかうのはNGということらしい。
本宮本社のすぐ近く(徒歩5分)には、旧鎮座地である「大斎原(おおゆのはら)」がある。
ご祭神降臨の地と伝えられ、足を向けられると良いと思う。