熊野那智大社
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字那智山1
熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)
旧官幣中社
御祭神(主祭神)は、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)です。
※熊野夫須美大神は伊奘冉尊(いざなみのみこと)とされています。
社殿によれば、神武天皇が那智山中に御滝(那智の大滝)をみつけ、
大己貴命をお祀りしたと伝えられていますが、詳細は不明。
第16代・仁徳天皇の御代に創建し、主祭神・熊野夫須美大神をお祀りしたとも伝えられています。
熊野三山の「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」は、熊野三所権現の降臨を創祀の由来としますが、
「熊野那智大社」は「那智の御滝」を崇める自然信仰に始まります。
延喜式には記載されておらず、かつては神社ではなく修験道の道場であったと認識されてのではないかとも考えられています。
社殿に祭られる御祭神は下記。(<>内は神仏習合における本地仏)
第一殿(瀧宮):大己貴命(飛瀧権現) <千手観音>
第二殿(證証殿):家津御子大神、国常立尊 <阿弥陀如来>
第三殿(中御前):御子速玉大神 <薬師如来>
第四殿(西御前):熊野夫須美大神 <千手観音>
第五殿(若宮):天照大神 <十一面観音>
第六殿(八社殿):
禅児宮:忍穂耳尊<地蔵菩薩>、聖宮:瓊々杵尊<龍樹菩薩>、児宮:彦火火出見尊<如意輪観音>、
子守宮:鵜葺草葺不合命<聖観音>、一万宮・十万宮:国狭槌尊・豊斟渟尊<文殊菩薩・普賢菩薩>、
米持金剛:泥土煮尊<釈迦如来>、飛行夜叉:大戸道尊<不動明王>、勧請十五所:面足尊<釈迦如来>
熊野那智大社への参詣道「熊野古道・大門坂」を登りきり、日の出を拝する
朝日を浴びた那智山。写真中央に朱色の建物(熊野那智大社)が小さく見える
ここからは石段の参道が続く。
二ノ鳥居まで450段あるらしい
やっとの思いで、熊野那智大社の一ノ鳥居に到着。
参拝は2009年9月下旬の早朝
鳥居の右手に祀られた「児宮」
見上げれば、階上に朱色の社殿(長尾殿)
参道階段付近から望む、那智の御滝。
すごい
階上に二ノ鳥居
狛犬
二の鳥居をくぐった左手奥に「秀衡桜」
藤原秀衡が奥州より持参した山桜とのこと
秀衡桜付近より境内を望む。
並び立つ朱柱の社。美しい
朝日を浴びた拝殿
拝殿正面
神武天皇縁の八咫烏と拝殿
拝殿の向かって左手に、八社殿(中央右)御懸彦神社と(中央左)
御懸彦神社
第六殿:八社殿
八間社流造り
御祭神は、禅児宮(忍穂耳尊)、聖宮(瓊々杵尊)、
児宮(彦火火出見尊)、子守宮(鵜葺草葺不合命)、
一万宮・十万宮(国狭槌尊・豊斟渟尊)、米持金剛(泥土煮尊)、
飛行夜叉(大戸道尊)、勧請十五所(面足尊)
ご神木・那智の大樟
樹齢・約800年。平重盛の手植えとのこと。
すごい迫力
並び立つ五つの社殿。
向かって右より、
第一殿:滝宮(大巳貴神)
第二殿:証誠殿(家都御子大神)
第三殿:中御前(御子速玉大神)
第四殿:西御前(熊野夫須美神・主祭神)
第五殿:若宮(天照大神)
第一殿:滝宮(大巳貴神)
第二殿:証誠殿(家都御子大神)
第三殿:中御前(御子速玉大神)
第四殿:西御前(熊野夫須美神・主祭神)
第五殿:若宮(天照大神)
御本殿向かって右手の門を抜けると
隣接する「青岸渡寺」へと至る
青岸渡寺より望む、第一殿と第二殿
二の鳥居と鱗雲がなびく那智の空
青岸渡寺と飛瀧神社を参拝した後に、再び熊野那智大社に赴いた。
時刻は8:30。日も昇り、境内が光で溢れている
<熊野那智大社への参詣道「熊野古道・大門坂」>
日の出の時刻に「大門坂の駐車場」に到着。
熊野古道を歩き、人気のない静かな「那智の御滝」を拝するため、
今朝は4:00起き。
熊野那智大社の参道(熊野古道)
大門坂入り口
古道に立てられた鳥居。
その先に朱の神橋(振ケ瀬橋)。
この地から那智の御滝までは1.2kmとのこと
朝日を浴び、赤く染まる鱗雲。
ちょっと感動
参道の両脇に夫婦杉。
樹齢は約800年
苔むした石畳の参道
おのずと神厳な気分になる。
熊野那智大社に詣でるなら、ぜひこの道を歩いてみるべき。
参道右手に「多富気王子社跡」(写真右)
参道の杉並木
火花のように四方に伸びる枝。すごい
しばらく歩いていると、太陽が出てきた。
太陽に照らされた参道の石畳
大門坂を登りきり、朝日を遥拝。
これより熊野那智大社へ向かう
<「熊野古道・大門坂」下山編>
熊野那智大社、飛瀧神社、青岸渡寺の参拝を終え、
再び熊野古道の参道へ。
写真は古道の入り口にある大門跡
熊野古道。
往時と異なり、光に包まれた明るい参道
枝を伸ばした老木杉。
この場所はやはりすごい
参道
森を抜け、民家沿いの参道をゆく
大坂門入り口
朝日を浴びた熊野の山々が美しく輝いている